続編において

本来は作られる予定はなかったという

満を持して公開されたトランスポーターだったが、映画として公開された時には制作会社などの思惑とはかけ離れた興行成績を記録したという。そのため本来ならば続編の制作は行われないはずだったが、この後に発売されたDVDの存在が一気に状況を覆すこととなる。そう、映画こそ公開当初は話題を集めなかったが、DVDが全世界規模で発売されるとまるで隠れた名作がここにあると言わんばかりの大ヒットを記録したというのです。これについては喜ばしいことなのかもしれないが、正直映画でも売れて欲しかったというのは企業側の本音だろう。映画で売れて、さらにDVDで利益を伸ばすというシナリオが理想的だからだ。そういう意味では、最近の日本におけるアニメ映画の戦略は実にその意図を射抜いているので、よく考えていると同時に消費者である我々が弄ばれている感が半端ない。

トランスポーターの場合、映画がヒットしなかった理由についてはいくつか考えられるが、単純に公開された時から注目を集めていなかったというのも考えられる。またアメリカも制作に関わっているとはいえ、フランスが映画制作をするという印象を持たない人にすれば正直期待するほうがもったいないと感じたとしてもおかしくない話だ。そしてそのことから、配給先といっても公開される劇場数が少なければ、面白さも伝播しない。故にヒットしなかったという流れだろう、漠然と話してはいるものの大まなか流れとしてみればヒットしなかった要因はそんなところのはず。

特に日本だと海外の作品には当たり外れがあると認識している人も少なくはない、そうした点から日本で公開されても見る人が少なく、クチコミなども効果が伴わなかったがDVDが発売されるやいなや売れたから、万々歳といったところか。

こうしたこともあって見事続編制作が出来るだけの予算と評価を受けた事により、『トランスポーター2』が公開される。こちらの作品は前作を見てファンになった人々の熱烈な支援も相まって、全米で初登場1位を記録するヒット作として定番となった。

運び屋を目指す

続編の内容

そんな続編の内容だが、前作と根本的に何かが変わっているというわけではないが、ただフランクがこれからは堅気の世界で生きると決めたことだ。最初から更生するという展開から始まったので、まさかのアットホームな感じになるのかと思いきや、そうは問屋が降ろさない。運び屋としての仕事をする上で、危険な仕事を受けるのを拒否していたフランクだったが、一見すると安全そうな依頼を受けたものの、そこから突如としてテロリストに脅された挙句連邦警察にも追われる身となって、結局事件の中心部に巻き込まれていく主人公フランク・マーティンが描かれている。

では前作の正当な続編として描かれている『トランスポーター2』のあらすじからまずは見ていこう。

あらすじ

主人公フランク・マーティンはプロの運び屋として活躍していた、それが例え危険な任務であろう完遂する実力によって裏業界でもその名が知られる有名人だった。しかし前作における影響もあって、危険な仕事から足を洗い、これからは全うな人間として生きていくことを決意したフランクは単身、フランスからアメリカへと移り住む。そこで第三の人生をスタートする事を決意し、運び屋という側面の強いある裕福な家庭の子息であるジャックの送迎をする仕事に従事していた。

何も起きない、平凡な毎日を過ごしていたフランクだったがある時状況は一変する。彼がジャックと共に病院へ訪れた際にそこで医師と身元不明の女性による銃撃を受けるのだった。間一髪窮地を脱した2人だったが、車へと戻ったもののそこには1人の女性が銃を構えて車を出すように指示する。ジャックを乗せて、さらに自身の足に銃口を突きつけられているフランクはテロリストである女性に指示されるがまま彼女のアジトへと赴く。

そこでジャックは捕らわれて、ある注射を打たれてしまう。何も出来ないフランクはひたすら耐えるしかなかったものの、そのまま無事に帰宅することは出来た。しかし帰り着いた際にジャックは原因不明の発熱を起こしてしまい、さらに両親にもその病気が伝播してしまう。ジャックが打たれたのは空気感染によって人を殺せる殺人ウィルスを投薬されてしまったのだ。

治すためには解毒薬が必要となり、フランクは自身の雇い主である家族に報いるために一度は足を洗う決心を打ち捨て、かつて特殊部隊に在籍していた頃の自分に回帰してテロリストのアジトへ潜入する。ここから彼の大逆転劇とも言える、悪党を蹂躙する展開が待っているのだった。

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洗えませんでした

最終的な結論として、フランクは完全にはプロの運び屋という肩書を拭うことは出来なかった。ただ最初から最後まで、かつて培った経験によってあらゆる魔の手を払っていく。冒頭部分にしても小遣い稼ぎのために車を盗もうとした不良軍団を簡単に圧倒し、さらには物語が佳境に迫る中で見せる女テロリストとの壮絶な銃撃戦にしても、特殊部隊に在籍していたという経歴は伊達ではないというわけだ。ただ展開的に本当の意味で平穏無事過ぎる一般人に戻ってしまったら、作品は面白くはないだろうが見ていて思ったのは彼の本質が決して変わらないということ。

送迎の仕事にしても必ず制約を設けている姿勢が何ともフランクらしいと言える。ジャックにもクルマに乗る際に与えている制約として、

  • 1:車に敬意を払う
  • 2:あいさつをする
  • 3:シートベルトをする

これを徹底させている。至極当たり前なことだが、この3つの制約を守らせるというのも彼の習慣とも言えるだろう。そしてそれが有るからこそ、依頼されれば必ず全うするのが彼の仕事に対する実直さにも繋がっている。そういった意味でもこの作品がヒットした要因となっていると分析できる。


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